羊の夜をビールで洗う

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シングルファーザーなプログラマーのワンオペ育児&暮らしのブログ。

異なる視点を持ってみる〜「その日暮らし」の人類学

ゴールデンウィーク、「予定がなくて暇だし、読書でもするかなぁ。」と思われている方は、自分が属している社会や日常とは異なる視点を得られるような本を読んでみるのも、こんなときにはいいのではないでしょうか。

 

そんな繋がりで、最近読み始めた「「その日暮らし」の人類学」という本がなかなか面白いなぁ、と思ったので、少しここでも書いてみます。

 

 

この本はタイトルの通り、Living for Today〜その日その日を生きている人々と社会の研究を通じて、私たちがいる社会での生き方や幸福感について考え直してみよう、という意図の論考がまとめられた本です。

 

日本や他の先進国で暮らす人たちは、今の社会や仕組みが明日もずっとその先も継続することを前提にして未来を計画立てて、未来のために今を犠牲にして、働いたり貯金したりしています。

 

そういう社会では「その日暮らし」は不安定で好ましくない生き方、とされがちですが、計画的で安定した「その日暮らしではない暮らし」というのは、ごく一部の場所や時代のもので、そこから外れた社会では「その日暮らし」の方が普通である。

 

そしてそのような「その日暮らし」の社会に生きる人たちは、私たちとは異なる時間の感覚や常識に生きていて、実は高効率や資産の拡大を追求して生きているわれわれよりも、ゆとりがあって幸福なこともあるのではないか?というのが、本書での問いかけのようです。

 

本書ではそのようなLiving for Todayの極端な一例として、ピダハンと呼ばれるアマゾンの狩猟採集民の社会が挙げられています。

 

ピダハンという民族の生活は、まさに「今だけを生きる」を体現したもので、道具や保存食を作らず、食べられるときに食べつくし、食べないときには何日も食べない。ピダハンには儀礼や神話を語り継ぐ文化がないので、ピダハンの言語には過去や未来を表す時制がほとんどなく、直接見たり体験した物ごと以外には関心を示さないのだとか!

 

そのような民族であるからして、私たちとは価値や所有の概念がまったく違っていて、持つことをステータスに思わず、持たないことに負い目を感じることなく、運命をたんたんと受け容れていて、自信や余裕に満ちているそう。

 

本では、このピダハン以外にも、その日暮らしに生きる様々な民族や社会の例を採り上げて、私たちとの時間や経済、仕事に対する感覚の違いを浮き彫りにします(他には短期間に商売を変えまくるタンザニアの夫婦の話が面白かった)。

 

私が人類学について全くのトーシロなので、一つ一つの話に「ほえ〜」といちいち驚いている節もありますが、そのような民族や社会が地球のどこかに存在していることを知ると、自分が今まで常識だと思っていたことが違って見えてくる気がしませんか?

 

この本は新書とはいえ、論文に近い態でやや小難しく書かれているので、読むのに時間がかかっているのですが、きっと読み終えたときには、自分に今までなかった視点が頭の片隅に残るのではないかと思い、頑張ってGW中に読み終えたいなぁと思っています。

 

本を書かれた小川さやかさんという方は、サントリー学芸賞という賞を受賞された新進気鋭の人類学者さんだそうで、今後も書籍や記事を見かけた際には、注目していきたい人だなぁと思いました。

 

おまけ

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