羊の夜をビールで洗う

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羊の夜をビールで洗う

シングルファーザーなプログラマーのワンオペ育児&暮らしのブログ。

大阪の本を読んで、まだ知らない大阪を知りたい。

大阪に住み始めてからもうすぐ8年で、いろんな町を転々としている私も、いつの間にか大阪が人生で二番目に長い時間を過ごしている町になっています。

 

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大阪の雰囲気や住み心地は、個人的にはおおむね気に入っています。ただし、私たちが住んでいるのは、大阪の中でもあまり大阪っぽくないと言われているところなので、「まだディープな大阪を知らないくせに!」と指摘されたら、そうなのかもと思ってしまうところがあるんですよね。

 

実際、大阪は日本で2番目に面積の小さい都道府県のわりには、びっくりするくらい地域のカラーに多様性があって、8年住んでいても全然知らない町の雰囲気や文化がたくさんあるのだと思います。堺のような政令都市レベルの都市でも、用事がなかったら全然行かないし、外から来て北の方に住んでいたら、ミナミの街すらメジャーなスポット以外はそんなに知らなかったりする。

 

だからというわけではないのですが、最近大阪に関する本を立て続けにいくつか読んでいて、「やっぱりまだまだこの町について知らないことがあるなぁ。」と感じて面白かったので、本の紹介とともに、読書メモを書き残してみます。

 

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津村記久子 ・江弘毅 「大阪的」

 

作家の津村記久子さんと、「Meets Regional」誌を立ち上げられた江弘毅さんによる対談集です。

 

津村さんは「ポトスライムの舟」で芥川賞を受賞された方ですが、最近読んだなかでは「この世にたやすい仕事はない」が一番好きかな。この本は装丁も凝ってるし、内容もいろいろ皮肉や教訓が効いていて面白いです。

 

 

「Meets Regional」は、関西ローカルの情報誌ですが、いつもオシャレでちょっと大人な特集が興味を惹かれますよね。関西の大学生は、まずMeets Regionalを手にしてオトナぶることを覚えていくっていう(ほんまかいな)。

 

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(天王寺動物園から望むあべのハルカス)

 

「大阪的」は、そんなお二人が大阪を話題にえんえんダベっているのが収められた、ライトに読める一冊なのですが、読んでいて「へぇ〜」と思った箇所がいくつかありました。

 

例えば、津村さんがお仕事で、J2のクラブチームとホームタウンを取材していく中で、大阪と柏がとても似ていると思った、という話。街の規模感や、クラブチームへの熱の入り方に近しさを感じたということみたい。自分もあちこち移動していて、違う観点で異なる町同士の類似点を感じることがあるので共感がありました。

 

もう一つは、大正区にあるIKEA鶴浜の話。大正区に住むお年寄りが、シャトルバスを難波への行き来に使っていたり、小学生がドリンクコーナーでトレーディングカードをしていたりと、地元の人が地元なりにイケアを使っている、という話で、この雰囲気をみて津村さんは自分の小説にこのイケアを登場させようって思ったらしい。こういう話もなんだか面白いなぁ、って思いました。

 

 倉方俊輔・柴崎友香 「大阪建築 みる・あるく・かたる」

 

「きょうのできごと」をはじめとして、こちらも小説の中に関西の地名がたくさん登場する、作家の柴崎友香さんが、建築の先生と一緒に大阪の建築を探訪するガイドブックです。

 

発売されたときから気になっていた本なのですが、Amazonの中古本が手頃になってきたのを見て、最近注文していたのでした。(そして思った以上に、状態のよいものが届いた!ラッキー)

 

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大阪って中之島にある中央公会堂を筆頭に、由緒ある建物が数多く残っていますよね。この本は、街を歩いていて「この建物スゴそうだけどどんな歴史があるんだろう?」って思ってた建物の話が、柴崎さんの思い入れと倉方さんの専門家からの知見を織り交ぜて、分かりやすく語られているので、読んでいてとってもわくわくします!

 

古い建物以外にも、梅田スカイビルやグランフロント大阪など、比較的最近に建てられられた高層ビルのことも、詳しく書かれていましたよ〜。特に、いつも通勤のときに見ているけど、意外と行く機会が少ないスカイビルは、この本片手に、もう一度ちゃんと一通り歩いてみたくなりました!

 

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(2011年頃の大阪駅周辺を上から。グランフロントはまだ建設中)

 

岸政彦 「ビニール傘」

 

今年の頭に発表された芥川賞を惜しくも逃した、岸政彦さんの初の小説集。1月に、雨宮まみさんとの対談集をブログで採り上げていたので、こちらも読みたいなぁと思っていたのが、ようやく読めました。

 

「ビニール傘」は、複数の登場人物がめまぐるしく入れ替わるタイプの小説なのですが、一人称で書かれているのに、登場人物が入れ替わったことが気づきにくいような書かれ方をされているのが、目新しいなと思いました。

 

そしてやっぱりこの小説にも、まだよく知らない大阪の地名が、知っている地名に混じってたくさん出てくる。単行本には、文章とともにいくつかのスナップ写真が掲っているのだけど、ぱっと見て場所が分かる写真はほとんどなくて。

 

小説そのものの読後感も良かったのですが、まだ歩いたことのない街に、写真を撮りに出かけたくなる本だなぁ、と思いました。

 

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(一度だけ息子と新世界に行ったときは、まだベビーカーだったので、通天閣を上がるのは断念。)

 

以上、大阪に住み始めてから撮り溜めてた写真とともに、最近読んだ大阪に関する本を3冊ほど紹介してみました。

 

縁あって地元ではない土地に住むことになったときには、地元ゆかりの作家さんが書かれた小説やエッセイを手に取ってみるのも、その土地のことをよく知るきっかけになっていいかも、ですね。大阪出身の作家さんはまだまだたくさんいるので、今後も意識して読んでみようと思いました。 

 

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