羊の夜をビールで洗う

シングルファーザーなプログラマーのワンオペ育児&暮らしのブログ。

狭い領域で一つのことを極める(梅原大吾「勝ち続ける意志力」書評)

ブログを書き始めてから、改めてブロガーとしてのちきりんさんが気になっていて、彼女の著作やブログをいろいろ読んでいます。その中で、ちきりんさんと梅原大吾さんというプロゲーマーの方が共著で出した新書「悩みどころと逃げどころ」という書籍を読みました。

 

ちきりん・梅原大吾 「悩みどころと逃げどころ」

 

梅原さんという方は、日本で初めてゲーマーとしてスポンサーのついたプロ契約を結ばれた方で、「ストリートファイター」という格闘ゲームで何度も世界チャンピオンになられている方だそうです。

 

梅原さんのゲームプレイの内容は、YouTubeで検索するとそのいくつかを参照できます。中でも「背水の逆転劇」という残り1ゲージからの大逆転勝利を収められた試合が最も有名なようです。私は格闘ゲームは全く得意ではありませんが、中学生の頃にまだ「ストⅡ」と呼ばれていたバージョンはプレイしたことがあったので、この試合がスゴいことは何となく分かります。

 

www.youtube.com

 

ちきりんさんは、その梅原さんがプロゲーマーになられた後に、自身の生い立ちと勝負哲学について語った「勝ち続ける意志力」という本を読んで感銘を受け、ご自身の「Chikirinの日記」の中で、「梅原さんの話題しかしない月間」を設けて、ブログのタイトルまで変えてしまったことがあるそうです。んー、なんという粘着力。

 

この「悩みどころと逃げどころ」という本もなかなか面白かったのですが、ちきりんさんをそこまで駆り立てた「勝ち続ける意志力」という本がどんな本なのか興味を持ったので、こちらも読んでみました。

 

梅原大吾 「勝ち続ける意志力」

 

結論から言うと、この本、ずっと手元に置いて定期的に何度も読み返したくなるレベルで面白かったです。この本を出されて以来、梅原さんは「ハーバードビジネスレビュー」などゲームの枠を超えた雑誌で対談が組まれたりしており、実際多くの人にとって仕事や生きる上でのヒントになる内容が詰まっているのだと思います。

 

本を通じて訴えられているのは、凡人には到達できない高みを目指すための正しい努力の仕方、高みを目指しそれを維持するためのバランスの保ち方、というところだと思います。いくつか自分が読んでいて、面白いなぁと思った部分を引用してみます。

 

僕にとって何が自信につながったかと言えば、それはゲームの上手さや強さではなく、苦手なものを克服しようとしたり、あえて厳しい道を選んだりする自分の取り組み方、高みを目指す姿勢を貫けたという事実があったからだ。

手を抜かず徹底的に追求することが、自信を持つ何よりの糧となったのだ。

ほとんどの人は、実力がつけばつくほどに自分なりのスタイルというものを確立してしまう。

(中略)

さらに危険なのが、自己分析して自分のスタイルを決めるのではなく、他人の評価を鵜呑みにしてしまうことだ。

(中略)

その点、僕の勝ち方にはスタイルがない。スタイルに陥らないようにしていると言ってもいい。

普通、人はこっちの方向に何かあるはずだと当たりをつけて進むものだと思う。しかし、僕の場合は自分の足で全方向に歩くようにしている。

正解がどちらの方向にあるのか、迷う必要すらない。すべての方向を探り尽くすから、どこかで必ず正解が見つかるのだ。

自分を変えるとき、変化するためのコツは、「そうすることで良くなるかどうかまで考えない」ということだ。もし悪くなったとしたら、それに気づいたときにまた変えればいい。

とにかく、大事なのは変わり続けることだ。

 

梅原さんは、誰にも負けないために、まずは誰よりも時間をかけて考え抜くことを極めたうえで、特定のスタイルに嵌らず、変化し続けるのを恐れないことが大事である、と語っているのだと思います。

 

言葉でさらっと要約してしまうと、ありふれた主張に見えますが、「普通であること」を疑い続けた少年時代を過ごし、ゲームというふつう人が目指さない道を極めて、頂点に立ち続けている梅原さんの言葉だからこそ、妙な説得力があるのかな、と思いました。

 

ここまで考えて、他にも、人がそこまでこだわらないようなことに徹底的に拘り続けて、多くの人の心を掴んだ人がいたような...と思い返して、思い出しました。「人生がときめく片づけの魔法」を代表作とする、こんまりさんこと近藤麻理恵さんです。

 

近藤麻理恵 「人生がときめく片づけの魔法」

 

こんまりさんは、誰もができてリバウンドしない片付けのノウハウを突き詰めたうえで「人生がときめく片づけの魔法」を出されると、それが日本で大ベストセラーになっただけでなく、多くの国で翻訳されて、ついには2015年に村上春樹さんとともに、TIME誌にて「世界で最も影響力のある100人」の一人に選ばれていますよね。

 

こんまりさんのこの本も私は読んでいて、梅原さんの本の内容と毛色は全然違うのですが、梅原さんの本と同じく、手元に長く置いて定期的に読み返したり、実践したいタイプの本だと思います。

 

梅原さんは格闘ゲーム、こんまりさんは片付け。お二人とも、どちらも他の人であればなかなかそこまで拘りきらないようなニッチな領域で、こだわり考え抜いたあげく、世界中の人の考え方に影響を与えるような思考に到達している、というところが面白いなぁ、と私は思いました。

 

自分はこの一つのことに徹底的にこだわって考え抜く、というところが致命的に苦手なので、そういうことができる人にどうしても惹かれてしまうんですよね。自分は苦手だけど、そういう人のエッセンスを数十分の一でも取り入れて真似できたらいいな〜、と思います。

 

梅原さんの本は、格闘ゲームのことが全然分からなくても、多くの人のヒントになる内容がたくさん散りばめられていたと思うので、オススメだと思います!興味を持たれた方は、ぜひ手に取ってみて下さいね。

 

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