羊の夜をビールで洗う

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羊の夜をビールで洗う

シングルファーザーなプログラマーのワンオペ育児&暮らしのブログ。

ボロフェスタに寄せて。

昨日の晩から今週末の三日間にかけて、京都でボロフェスタという音楽フェスが開催されている。主催者からサポートスタッフにいたるまで、運営がほぼボランティアにて支えられる、DIYフェスと呼ばれるスタイルの草分けとなった音楽フェスで、2001年に始まり、もう15年も続いている京都の名物フェスとなっている。

 

毎年「ただ売れている」だけではない、音楽好きに本当に愛されるべきバンドを集めた個性的なブッキングも特徴的なフェスで、今年も、以前に私のエントリで取り上げたHomecomingsの他、tofubeats、女王蜂などの近年の実力派アーティストたちに、このイベントに何度も出演しているサニーディサービス、クラムボンなどの古参アーティスト陣が入り交じって、非常に充実した顔ぶれになっている。

 

borofesta.jp

hanakin-borofesta2015.hatenablog.com

 

ボロフェスタは、2007年までは京大の西部講堂をメイン会場としていて、最近では京都KBSホールに会場を移している。音楽イベントの会場に大学の講堂と聞いて「ん?」と思われる方も多いかもしれないが、京大西部講堂といえば、かつてはCharや村八分、はたまたトーキングヘッズや、ポリスといった大物がライブをしたこともあり、日比谷の野外音楽堂と比されて西のロックの聖地と呼ばれていたスゴイ場所であったらしい。普通に通りかかって傍目でみれば、ただのオンボロな講堂であり、大学に入学した当初はもちろん私はそのことを知らなかったが、その後、実際にクラムボンやPolarisといったバンドを中で聴く機会があり、西部講堂がライブの場所としてちょうど良いキャパのハコであることと、過去に演奏した名バンド達の怨念のような空気が漂ってそうな不思議な場所であることは体感できた。

 

京都大学西部講堂 - Wikipedia

 

ボロフェスタは、開催同時から、ロボピッチャー、Limited Express (Has Gone?)、ゆーきゃんの三組のミュージシャンと一人のライブハウスの店長(ライブイベントでは司会をすることが多いので、MC土龍と呼ばれていた)を主な主催者としている*1。そのうちの一人、ゆーきゃんは大学時代のクラスメイトが軽音サークルでやっていたバンドのボーカルで、その後しばらくしてゆーきゃんはソロのシンガーソングライターとして活動するようになった。

 

ゆーきゃんオフィシャルサイト

 

私はそのゆーきゃんが京都の拾得というライブハウスで「ソロデビュー」したときの場所にたまたま居合わせていた。ゆーきゃんは、ソロのシンガーソングライターとしては極めて声量が小さいアーティストで、か細い声を絞り出すようにして繊細な歌詞を曲に乗せていたが、それでもそのときその場所にいた誰もが、この人はソロでやっていくべき人だ、と確信していたと思う(そのクラスメイトのバンドメンバーもそういう顔をしていた)。

 

そんなソロのゆーきゃんに魅せられたのは私たちだけではなく、当時東京で「フライパンレコーズ」というインディーズバンドのサイト運営をしていた2人組の若者もその一組だった。その若者たちとゆーきゃんに近しい人たちは、まもなく意気投合し、ゆーきゃんと、当時ライブで対バンを組むことの多かったサンプリングサンというバンドのオフィシャルサイトを開設。サンプリングサンは、その後、山崎まさよしやスキマスイッチなどが所属するオーガスタレーベルからメジャーデビューを果たすも、公式には2006年に解散。しかし、その後ゲリラ的に高円寺や下北沢などのライブハウスで復活することがあるらしく、彼らのウェブサイトはなんと15年ぶりに当時と同じ、フライパンレコーズのドメインでリニューアルされている。

 

frypan.net

 

話が少し逸れたが、ゆーきゃんに近しい人たちとフライパンレコーズの若者の活動は、もちろんWEBのみに留まらず、「フライパンベイビー」と題したライブイベントを、拾得などのライブハウスで定期的に開催し、その集大成として2000年に「フライパンロックフェスティバル」という小さなロックフェスティバルを、同じく京大西部講堂で開催する。トリは確か、やはり京都を出身とする兄弟ユニット、キセルだったと思う。そして、この小さなフェスティバルが、事実上その後15年続くボロフェスタの前身的なイベントとなる。

 

kicell official web site

 

ボロフェスタは、前記の通りスタッフがボランティアからなるDIYフェスであり、その多くは京都に住む大学生によって支えられているが、私はこれらの成りゆきを比較的近しい距離から見ていたにも関わらず、フライパンレコーズのイベントやボロフェスタに対して、直接的には何もしておらず、純粋にいち観客として楽しんでいたのみ、である。その観客としても、まだ会場が西部講堂であった2005年頃に訪れたのを最後に行けておらず、毎年予定や体調が合えば行きたいなぁと思いながらそれが叶わず、セットリストを見て「うわー、今年もいいバンドが揃ってるなぁ。」と唾を呑むのみ、だったりする(まー、今は子どももまだ小さいですし)。

 

そんな私がボロフェスタについて何かを語る資格があるのか!とお叱りを受けそうではあるが、それでもこのイベントについて何か書きたくなったのは、数あまたある音楽フェスの中でも際だった特殊性をもつこのイベントの経緯について、こうして当時を思い出しながら検索で情報を辿ってみても、すっかりGoogleのインデックスの範囲外に飛んでいってしまっており、何となくそれらをもう一度掘り起こしてみたい、と思ってしまったからである。たった15年前の出来事でも、Googleはそこまではアーカイブしてくれないものなのだ。

 

というわけで、そんなボロフェスタというイベントや、京都独特の音楽シーンに興味を持たれた方は、ぜひ実際にイベントに足を運んでみてくださいな。音楽好きな方なら、きっと新しい発見があるかと思いますよ〜。

 

もしゆーきゃんの音楽にも興味を持たれた方がいれば、こちらはiTunesのミュージックストアから視聴・購入するか、Apple Musicユーザーであればそのまま視聴することができるので、よろしければこちらからどうぞ!

 

itun.es

*1:その後ロボピッチャーは主催者を外れており、リアル脱出ゲームを企画する会社を運営している

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