ワンオペ育児を超えてゆけ

旧「羊の夜をビールで洗う」。シングルファーザーなプログラマーのワンオペ育児&暮らしのブログ。たまにガジェットネタも。

経済小説作家の元祖!城山三郎さんのおすすめ本

夏が来ると思い出す小説の一つに、城山三郎さんの「官僚たちの夏」という作品があります。

 

城山三郎さんは、結構好きな作家で他にも何冊か読んでいるので、ついでに私が読んだ中から、城山三郎さんのおすすめ本を何冊か挙げてみますね。

 

 

城山三郎さんとは?

昭和2年生まれ(79歳没)。愛知県名古屋市生まれの小説家で、経済小説と呼ばれるジャンルの開拓者。「総会屋錦城」で第40回直木賞。「落日燃ゆ」で吉川英治文学賞など。(Wikipediaより)

 

私が読んだ城山三郎さんのおすすめ本 

官僚たちの夏 (1975年 新潮社)

 

高度成長期の通産省(現経済産業省)の実在した官僚たちをモデルに、エリート官僚たちの猛烈な仕事ぶりと激しい出世レースを生々しく描いた小説です。2009年にはNHKでドラマとしても放送されていました(主演は佐藤浩市さん)。

 

この小説は、人事をいじくるのが大好きであるという主人公風越の、人に対する観察眼や、異なるキャラクターを持つ同僚たちを巻き込んでいくさまの描写が、まず面白い。

 

強引な性格で権力に物怖じしない主人公が、大胆かつエネルギッシュに大きな政策の実現を目論むものの、すんでのところで叶わず一度は出世コースを外れてしまう...という辺りのくだりは、後の「半沢直樹」シリーズなどでも見かけられる、経済小説の定石を築いたとも言えるのではないかと。

 

小説なりの脚色があるとはいえ、様々な立場の官僚たちの仕事ぶりの描写もリアルで、私は学生のときに公務員の道は全く考えなかったのですが、彼らはこのような志を持ってお役所の仕事をしているのかなぁ、と興味を惹かれた部分も多かったです。 

 

「粗にして野だが卑ではない」石田禮助の生涯 (1988年 文芸春秋)

 

こちらは国鉄の総裁を努めた石田禮助という人物のドキュメンタリー。城山三郎さんの本には、他にも渋沢栄一や石坂泰三など明治から昭和初期までの財界人をモデルとしたドキュメンタリーも多いです。

 

石田禮助さんという人は、三井物産に35年、そのうちの28年を海外勤務で過ごした後、当時敬遠されがちであった国鉄総裁のポストに78歳にして就かれた方だそうです。老齢にしてこのような大役を引き受けた方というと、最近ではJALの再生に携わった稲森和夫さんが思い起こされますね。

 

どことなく「『逃げるは恥だが...』と似ているなぁ」なんて思ってしまう本書のタイトル。言葉通り捉えると、多少荒っぽいけれど筋は通すよ、と言ったところでしょうか。本書の前半では、そんな大胆さと合理主義で商社マンとしてガツガツ成果を上げていく、石田さんの三井物産時代の仕事っぷりが描かれ、同じビジネスマンとしてその魅力に惹きつけられます。

 

後半の国鉄総裁時代の話では、大きな鉄道事故を起こした後の国会答弁での歯に衣着せぬ振る舞いの描写が印象的。「官僚たちの夏」の主人公といい、城山さんはこういうタイプの人物が好みなのでしょうが、昨今の国会などを見ていても、いつの時代もこういう人物が魅力的に映ってしまうのは世の常なのでしょうか...。

 

素直な戦士たち  (1978年 新潮社)

 

最後は、政治とは財界とかの話とは打って変わって、私が生まれた年と同じ年に書かれた、お受験をテーマにした小説を挙げてみます。城山さんの小説で、私が最初に読んだ作品です。

 

この小説のテーマはずばりシンプル。それは「徹底的なマニュアルに沿って、東大文一にストレートで合格する子どもを計画的に育て上げることができるか?」

 

主人公の千枝は、その緻密な計画を実現すべく、お見合いでは相手にまずIQを尋ね、頭のいい子が生まれやすい季節を狙って子作りし...と、ゼロから徹底的に事を進めていきます(私はたぶん中学生くらいのときにこの本を読んだけど、この辺ちょっと刺激が...ごにょごにょ)。

 

しかしやっぱり計画は思惑通りにとはいかず、思わぬ要因によって徐々にリズムがかき乱されていくのですが、その要因となったもの(ネタバレになるので内緒にしておきます)が意外で面白い!やっぱり子育てって親の思い通りにはいかないものなんだわ〜、と今読み返しても痛感されます。

 

書かれた当初というのは、ちょうど日本で受験戦争が過熱し始めた時代だそうですが、今読んでもそんなに古さを感じさせないどころか、現代にも通じる内容も多いのではないかな〜と思います。(というわけで、いかがです?とろろ(id:tonarino_tororo_desu)さん。)

 

あとがき

とこんな感じで、今日はちょっと渋い作家さんからおすすめの3冊を挙げてみました。

 

城山三郎さんは他にも「少しだけ、無理をして生きる」などビジネス書っぽい本も多数出されていて、読むとお仕事でパワーをもらえる本も多いんですよ。このエントリをきっかけに少しでも興味を持って頂ける方がいれば幸いです〜。

 

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