ワンオペ育児を超えてゆけ

旧「羊の夜をビールで洗う」。シングルファーザーなプログラマーのワンオペ育児&暮らしのブログ。たまにガジェットネタも。

あだち充さんの隠れた名作!「虹色とうがらし」

実家に帰ったら、分散して子どもを見てもらえる分、基本的には時間が増えるので、ふだんなかなか読めない有意義な本でも読み進めたいところなんですが、ついついやってしまうのが、昔読んでいたマンガの読み返し。

 

特にうちでは小さい頃から家族みんながハマっていた、あだち充さんのマンガが多いんですが、その中からあだち充さんの作品の中でも、比較的マイナーと思われる「虹色とうがらし」を紹介してみます。

 

 

あだち充さんのマンガといえば、「H2」や「クロスゲーム」のような高校野球をテーマにした青春マンガが多い印象だと思いますが、この「虹色とうがらし」はあだちさんの作品には珍しく、時代劇を模した作風の作品になっています。

 

といっても、ただの江戸時代を描いた物語ではありません。ちょっと第一話の書き出しを引用してみると...

 

地球?いやいや、よくみてください。

 

オゾン層に穴はなく、大気も汚染されていない。

原生林もそのままに、川には魚が住み、海に油も浮いてない。

もちろんイニシャル入りの珊瑚礁など、どこにもみあたらない。

 

昔の地球?

最初にいったろ!これは未来の話だと。

 

つまり、なにがいいたいのかというと、

この風景が昔の地球のある国の、ある時代に、似ていたとしても、

それはただの偶然だということなのである。

 

要するに設定上は、未来の、地球とは異なる星を想定していて、ストーリー的には時代劇風という、ちょっと凝ったSF仕立てになっているわけですね。

 

ちなみに第一巻のコミックスが刊行されたのは、1990年。世の中的にオゾン層破壊やCO2による温室効果などの環境問題への関心が高まりはじめた時代です。あと「イニシャル入りの珊瑚礁」というのは、若い方はさっぱり分からないかもしれませんが、この事件のことですよね。

 

朝日新聞珊瑚記事捏造事件 - Wikipedia

 

昔のマンガを読み返すと、こうした当時の時代背景や事件が思い出されるのも、なかなか乙なもの。

 

さて、少し話が逸れましたが、「虹色とうがらし」は、そんな江戸時代を模した世界に生まれた7人の異母兄弟が、母のルーツを辿って墓参りの旅をする、というのが主なストーリーです。7人の名前は、七味、胡麻、山椒など和な料理で使われる薬味の名前になっていて、この辺もちょっと洒落が効いている。

 

第一話でそうそうに明らかになるので、先に書いてしまいますが、この7人は実は国を束ねる将軍様の子どもたち。なので、その身分がゆえに道中さまざまなトラブルに巻き込まれていきます。旅が進む中で、兄弟には秘密にされていた両親の謎もだんだん解けていき、ついには...。

 

というお話なのですが、マンガ自体はコミックスで10巻分というちょうどいい位の長さで完結するので、ついつい読み返す頻度の高いマンガです。他の作品では、たまにストーリーのつじつま合わせでミスをやらかすあだち先生ですが、この作品に関して言えば、一貫した世界観やクライマックスに向けての盛り上がり方など、非常にストーリーの完成度が高い。

 

7人の兄弟の他にも、物語でたびたび強敵として登場する剣客の浮論、7人の危なっかしい旅を影でサポートする忍者の半蔵など、魅力的なサブキャラクターが多いのもこのマンガのおすすめポイントです。

 

あだち充さんのメインの作風である青春スポーツ漫画にはない、新鮮な魅力を発見できる作品だと思うので、ブックオフなどで見かけられた方は、ぜひ手に取ってみては?

 

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