羊の夜をビールで洗う

シングルファーザーなプログラマーのワンオペ育児&暮らしのブログ。

振られた人に直接理由を訊いてみたい?好きな映画「ハイ・フィデリティ」のこと。

映画にはうといので、好きな映画は友人から教えてもらうことが多い。「ハイ・フィデリティ」という映画もそのなかの一つだ。

 

 

ハイ・フィデリティは、イギリスのニック・ホーンビィという小説家が1995年に書いた小説で、2000年に映画化され、主演の男優がミュージカル/コメディ部門でゴールデングローブ賞を受賞している。

 

ハイ・フィデリティのストーリーはとてもシンプルだ。レコード店を営む三十半ばの主人公ロブが、冒頭で恋人の弁護士ローラに振られる。失意のロブは、失恋の原因を探るべく「過去に辛い別れをした女性トップ5」のリストを作って、その女性たちに順繰りに自分が振られた理由を尋ねて回る。

 

その後なんやかんやあって、結局ロブとローラはよりを戻した気がするけど、そこのなんやかんやはどうでもよくて、まずはこのトップ5に会いにいくところが、この映画のハイライトだ。

 

トップ5の面々との再会は、そもそも付き合っていると思われてなかったことが判明したり、自分と付き合っていたときのことが相手にトラウマを与えていて酷くなじられたり、振られた者同士で何となく付き合った人には再び依存されそうになったり、とやっぱりろくなことがない。でも、10代から30代前半にまで至る、ロブの恋愛における失敗の歴史は、男ならどれか一つは体験していそうなことばかり*1で、耳が痛くなる。

 

この映画のもう一つの魅力は、レコード店を営むロブの周りに集まる音楽好きな脇役たちと、彼らにまつわるサイドストーリーだ。

 

レコード店には、週三日でいいと言われているのに、わざわざ毎日働きにやってくるアルバイトの店員が二人いる。そのうちの一人バリーは、映画では後に「スクール・オブ・ロック」が一躍ヒットとなる、ジャック・ブラックが演じており、本作でもそのイメージまんまのキャラクターを展開する。

 

 

もう一人のもの静かな音楽オタク、ディックは、私がこの映画の中でもっとも好きなキャラクターといってもいい。

 

頼まれてもいないのにロブに何本も自作編集のテープを作ってきたり、店内でかけていたベル・アンド・セバスチャンのレコードを、バリーに強引に爆音のメタルに替えられてしまったりする彼は、地道なうんちく語りのセールスが功を奏して、映画の終盤ではなかなか美味しいところをさらっていく。

 

冷静に見返すと、正直突っ込みどころも多い映画だと思う。ロブが「寝取られた」相手のイアンは、日本人の私から見て、ローラがロブを振ってでも乗り換えたいと思えるほど魅力的には思えず、そもそも弁護士のローラが、なぜうだつの上がらないレコード店主のロブと付き合っていたのかも説得力に欠ける。

 

三十半ばにもなるロブが、ローラと別れた後に、彼女がイアンと「やったかやらないか」で大袈裟に一喜一憂するのも、さすがに子供っぽすぎやしないか、と茶々を入れたくもなる。

 

それでも、振られた五人に会いに行くところといい、ローラと別れた後のロブの未練がましさ加減といい、男が恋愛に失敗したときのみっともなさが、自分にグサグサと突き刺さってくる感じを自虐的に味わいたくなったときに、なんとなく見返してしまうのがこの映画だったりする。

 

 

なんて、この映画をふと思い出したのは、先日、雑誌ポパイの「本と映画のはなし」という特別編集号を買ったら、角田太郎さんという方が、この映画の原作をおすすめに挙げられていたからなのでした。

 

 

角田さんは、Amazonジャパンで長年勤務された後、今は中目黒でカセットテープリバイバルの聖地と呼ばれているお店を立ち上げられた方なのだとか。へぇ〜、今は一周回ってカセットテープがおしゃれになっているんだなぁ。

 

なんて気になりながら、インスタグラムもフォローしてみた。

 

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雑誌の記事を読んで、そういえば原作を読んでなかったな、と思って、今は絶版になっている新潮の翻訳本を中古で拾ってみたら、この小説、イギリスでは百万部を超えるベストセラーになっていたんですね。知らなかった。

 

原作本のほうは、映画以上に私の好みそうな音楽のうんちくがギッシリ詰まっている感じで、ミュージックアプリを起動したiPhone片手に、読んだり聴いたりを繰り返しながらじっくり読み進めているところなのであります。

 

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それはそうと、読者の皆さまは、失恋してしばらく後に、振られた理由を相手に直接聞きに行ってみたいなんて思いますか?基本、やっぱり、聞かない方がいいですよね、それは...。

 

*1:ちなみに私は「そもそも付き合っていると思われていなかった」のパターンに該当した。

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