羊の夜をビールで洗う

シングルファーザーなプログラマーのワンオペ育児&暮らしのブログ。

「ルビィのぼうけん」の続編を読んで、子どもにコンピュータの仕組みを教えるのはなかなか難しい、と思った話。

ちょうど一年前に、「ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング」という絵本を購入して、この絵本は息子くんもお気に入りで、わが家の定番絵本の一つになっているのですが、

 

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その後、同じ絵本作家と翻訳家の組み合わせで、第二作が出版されているのを地元の本屋で見つけたので、こちらも気に入ってくれるかな?とさっそく購入してみました。

 

 

表題の通り、原作者も翻訳者もプログラミング言語Rubyに愛着を持って使用されている方で、Rubyの父である、まつもとゆきひろさんも推薦文を寄せています。

 

一作目の「こんにちは!プログラミング」は、プログラミングに必要な考え方を芽生えさせるためのお話と練習問題、という内容でしたが、こちらの「コンピュータの国のルビィ」は、コンピュータはどんな部品の組み合わせでできていて、どうやって動くのか?をテーマにしているよう。

 

あまりみっちり勉強した自信はないとはいえ、私も一応大学では情報学専攻の端くれ。ちょっとまじめに中身を見てみましょうか。

 

第一作と同様、本作もお話編と実践編の二部構成になっているので、それぞれに分けて思ったことを書いていきますね〜。

 

ちなみに、この本を読み聞かせる対象である、わが家の子どもの年齢は5歳。ITスキル的には、

  • AmazonプライムビデオとFire Stickの使い方はひととおり覚えている
  • PS Vitaのブラウザと50音キーボードで、見たい動画を検索できる

くらいです。

 

お話編の感想

お話編のざっくりとしたあらすじは、「お父さんのパソコンをこっそり使おうとしたけど、画面のマウスポインタが動かない!どうして動かないのかコンピュータの中に入って原因を探ってみよう。」というもの。

 

水先案内人のねずみと一緒に、0と1のビットの世界から、論理ゲート、CPU、OSと、単純な方から複雑な方に順を辿りながら、コンピューターがどんな部品や仕組みで動いているのかを覗いてみよう、という意図のようです。

 

雰囲気が分かる程度に、少しだけ本文を引用してみるとこんな感じ。

 

ビットたちに話しかけるのは、ほねがおれるんだ。1か0しかしゃべらないし、『はい』と『いいえ』よりむずかしいことを言うには、ビットが、8こはひつようなんだ。(P20)

ぼくに考えがあるんだ。CPU(シーピーユー)に聞いてみるつもり。でも、CPUはいばりんぼうで、命令ばかりしているから、話しかけるのはこわいなぁ。(P26)

「CPUとGPUが、ずっと『あれをやれ』『これをやれ』って言ってくるんだもの。ディスクっていう大きな倉庫から、あれこれこまごま取ってくるのは、いっつもわたしの役目!」

ラムは走りながら答えます。(P30)

 

このお話編、前作ではプログラミングのエッセンスがうまく絵本のストーリーに置き換えられていて、子どもの食いつきも良かったのですが、今回のはより具体的な内容であるだけに、内容がだいぶん難しくなっているなぁ、と感じました。上の引用を見るとおり、読み手にもそれなりの前提知識が求められそう。

 

コンピュータがどんな部品でできているかを知るだけでも、テクノロジーへの興味は育つと思うし、絵本になっていることでイメージしやすくなっている*1とは思うのですが、それぞれの部品がどう組み合わり、積み上がって、最終的に画面に表示されているかを、絵本のレベルで説明するのは難しいのだろうなぁ、と思いました。

 

それに、子ども向けの絵本にまでGPUが登場していることから分かるとおり、近年のコンピュータはハードウェアもソフトウェアもどんどん構成要素が増えて、複雑になっているので、説明するまでの段階が長くなっているし...

 

ユーザーインターフェイスの変化も大きくて、子どもが触っているタブレットには、そもそもマウスもマウスポインター自体なかったりするので、まず私のパソコンを広げて、マウスポインターを見せるところから説明しないといけなかったりとか*2。現代っ子にコンピュータの仕組みを教えるのは、やっぱりなかなか大変そうです。

 

これについては、自分の子どもの頃の経験と照らし合わせて、さらに思うところあったので、後ほど「長いおまけ」として書いてみます。

 

実践編の感想

練習問題を親子で一緒に考えながら、興味と理解を深める実践編の方ですが、こちらは前作よりも、親しみやすく、考えていて楽しい良問が多かった気がします。

 

身の回りでコンピューターが使われているものを探して書き出してみたり、とか...

 

コンピューターと人間、それぞれが得意なことと苦手なことを考えてみたり、とか...

 

人間が目や耳などの器官で感じていることを、コンピュータはどうやって感じているのかを考えてみたり、とか...

 

自分だけのオペレーティングシステムやアプリケーションのUIを考えてみたり...などなど。

 

後の方になるほど、問題は難しくなっていくものの、段階を踏みながら子どもと一緒に取り組める問題が多かった気がします! 

 

長いおまけ:私が子どもの頃に読んでいたマンガの話

今回の「ルビィのぼうけん」を読んで、子どもにコンピュータの仕組みを教えるのは難しいな〜、と思ったときに、自分が子どもの頃に読んでいたマンガの話を思い出したので、いつもより長めのおまけとして書いてみます。

 

私が小学生の頃(だいたい1980年代くらい...)に読んで、コンピュータやプログラミングに興味を持つきっかけになったのは、親が何となく買ってきた一つのマンガ本からでした。

 

何を隠そう、私のその後の職業や人生を決定づけたと言ってもおかしくはない、その本とはこちら!

 

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すがやみつるさんという方が描かれた「こんにちはマイコン」というマンガで、もともとは「ゲームセンターあらし」というマンガのスピンアウト的な作品らしいです。私と同年代の方には、この本きっかけに業界に入られた方が、他にもたくさんいるとかいないとか。

 

とっくに絶版になったものと思ってましたが、調べてみたらなんとYahoo!が運営している電子書籍サイトで電子版として復活しているのをみかけました。懐かしすぎるうえに、2巻合わせても600円という値段で売られていたので、こちらも思わず買ってしまった。

 

で、改めて読み返すと、この時代のパソコンはHDDすらなくて、コンピュータの構成部品もモニタ、キーボードに、CPU・ROM/RAMのみと、とってもシンプル!その代わりにOSすら入ってなくて、起動するとまずマイクロソフトのBASICインタプリタが立ち上がるという、ハードルの高いインターフェイスの頃の時代...。

 

「こんにちはマイコン」は2巻構成ながら、キーボード入力に始まり、インタプリタとの対話、BASICプログラミングにフローチャートの書き方まで、コンピュータの入門書としては盛りだくさんの内容なのですが、マンガの構成がよくできているので、これはこれで今読んでも分かりやすいなぁ、と思いました。子どもがもう少し早く字が読めるようになったら、こちらも見せてみよう。

 

「ルビィのぼうけん」について語っていたら、期せずして新旧コンピュータ入門書比較!みたいな記事になってしまいましたが、小学校でのプログラミング教育必須化の影響で、子ども向けのプログラミング本のコーナーは日に日にボリュームが増しているように感じるので、また面白い本を見つけたら、このブログでも紹介していきたいと思います〜。

 

*1:論理ゲートの絵がとくに可愛かった!

*2:PS Vitaはブラウザ使用時にはマウスポインタが出てくるので、ものを見せたら子どもはすんなり理解はしていた。

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